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車いすユーザーたちがバックホウの前でインストラクターの説明を聞く様子
2026.5.10 SUN
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令和8年度 重点事業 活動報告

車いすユーザーと遠隔操作重機をつなぐ取り組み

「車いすなのに!? 重機試乗体験会」を開催

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車いすユーザーが、遠隔操作で建設重機を動かした。

2026年5月10日、北大阪トレーニングセンターに、車いす利用者30名を中心に、ガイドヘルパーや関係者など計70名が集まりました。
バックホウ(ユンボ)の実機操作や、遠隔操作による重機操縦は、参加者が体験を重ねるごとに、その輪が広がり続けています。
自らの手で大きな実機を動かす感動や、「機体に乗り込まなくても重機を動かせる」という遠隔操作ならではの新しい体験を通じ、参加者からは多くの率直な感想が寄せられました。

車いすなのに!? 重機試乗体験会 イベントチラシ
開催概要

車いすなのに!?
重機試乗体験会

Date

2026年5月10日(日)

10:30〜15:30

Place

北大阪トレーニングセンター

大阪府池田市神田2丁目11-7

Host
Re:infini
北大阪トレーニングセンター
大阪頸髄損傷者連絡会
Fee
3,500円 (昼食・保険費含む)
体験会参加者全員の集合写真。バックホウを背景に手を挙げる車いすユーザーたち

北大阪トレーニングセンター / 2026年5月10日

The Story

重機の前に集まった70名、体験会当日の様子。

Re:infini・北大阪トレーニングセンター・大阪頸髄損傷者連絡会の連携で運営。車いすユーザー30名を含む70名が集まり、一人ひとりが順番に遠隔操作でバックホウを体験しました。

体験を終えた参加者が重機の前に集合し、記念撮影。「また参加したい」「仲間にも体験させたい」という声が多く寄せられ、最後まで和やかな雰囲気で会は終了しました。

「職業の選択肢として考えたことがなかったが、今後の可能性を感じた。」

——参加者のアンケートより

Voices

参加者の声

アンケートに寄せられた、参加者のリアルな言葉。

"

一生忘れない体験ができた。
ありがとうございました。

満足度の設問では参加者の79.9%が最高評価の5点を選択。「とても満足した」という回答が圧倒的多数を占め、体験の質の高さが数字にも表れました。

"

職業の選択肢として考えたことがなかったが、今後の可能性を感じた。

建設機械オペレーターという仕事を、障がい者が就ける職業として初めてリアルに想像できた瞬間だったと語る参加者が複数いました。

"

障がいがあっても建設機械を動かせると実感できた。もっと多くの仲間に体験させたい。

「自分だけでなく、同じ障がいを持つ仲間にも知ってほしい」という声が多く、体験の広がりへの期待が強く表れました。

"

こんなに細かく動かせるとは思わなかった。感動しました。

"

資格を取れるなら、ぜひ挑戦してみたい。具体的な方法を教えてほしい。

"

「できない」と思い込んでいたことが、技術によって「できる」に変わる体験だった。

アンケート総括

参加者全員(100%)が体験前と比べて「重機操作への興味が上昇した」と回答。「できないと感じていたことができると感じた変化」についても、63.2%が「とても感じた」、36.8%が「少し感じた」と答え、否定的な回答はゼロでした。この結果は、遠隔操作技術による重機操作が、身体的制約を持つ方にとって十分に実現可能であることを実証するものです。

Data

アンケート詳細

就労に必要と感じる条件 (複数回答)

サポート体制の整備 57.9%
昇降機の設備 47.4%
遠隔操作の導入 47.4%

資格取得に重要なポイント (複数回答)

通いやすさ・日程の柔軟性 63.2%
身体的配慮・バリアフリー 57.9%

重機操作への興味の変化

100%

体験前より興味が
上昇したと回答

※「意識変革を実感」: とても感じた 63.2%、少し感じた 36.8% /「資格取得に興味あり」: ぜひ取得したい 47.4%、少し興味がある 31.6%含む

Gallery

当日の様子

体験会参加者の集合写真。重機の前で全員が手を挙げている
車いすユーザーがインストラクターのサポートを受けながら重機の操縦席でレバーを操作し笑顔を見せる様子
車いすユーザーを含む参加者が列をなして重機を待つ広角の様子
テント下で車いすユーザーが重機を遠隔操作する様子
バックホウを背景に車いすユーザーを含む参加者グループが笑顔でピースサインをしている
体験後に車いすユーザーがインタビューを受けている様子。背景に重機が見える
インストラクターの説明を聞く車いすユーザーたち

Next Step

令和8年度の展開方針

今回の体験会を通じ、障がいのある方でも遠隔操作で建設機械を操作できることが確認されました。令和8年度は、このデータと実績をもとに、行政・メーカー・業界団体へのアプローチを本格的に進めます。

01

建設機械メーカーとの技術連携

今回の体験会を通じ、遠隔操作・リモートコントロール仕様の建設機械に対する実需とニーズが明確に実証されました。国内外の主要建設機械メーカーと技術的・商業的な対話を開始し、障がい者が操作しやすい遠隔操作仕様のオプション化・標準化に向けた働きかけを行います。

遠隔操作技術のさらなる発展により、オペレーターが現場に物理的に存在しなくとも重機を操作できる環境が整えば、障がいの有無を問わない就労モデルの実現が加速します。チルトローテータを含む先端建設機械と遠隔操作システムの融合について、メーカーとの共同研究も視野に入れています。

02

国土交通省への政策提言

国土交通省が推進するi-Construction政策は、ICT建機・自動化・遠隔操作による建設現場の変革を掲げています。障がい者が建設機械オペレーターとして活躍できる環境整備は、人手不足の解消とダイバーシティ推進の両面から、この政策と高い親和性を持ちます。

今回のアンケートデータ・映像記録を根拠資料として、障がい者の建設機械操作に関する技能講習制度の見直しや、補助装置認定に向けた制度的枠組みの整備を提言します。

03

厚生労働省・雇用政策との連携

障がい者雇用促進法の枠組みのもと、建設機械オペレーターという新たな就労モデルを厚生労働省に提案します。「働きたい意欲があり、技術的にも可能」であることを示した今回の実証データは、障がい者向け職業訓練プログラムへの組み込みを後押しする有力な根拠となります。

訓練給付金・就労移行支援事業との接続、雇用納付金制度を活用した企業インセンティブ設計など、制度的なエコシステムの構築を目指します。

04

資格・認定制度の設計と普及

SPATが持つ建設ICT・チルトローテータの技術知見と、全国建設教習トレーニングセンターネットワークを活かし、身体障がいのある方が取得可能な建設機械オペレーター認定資格の制度設計を推進します。

労働安全衛生法上の技能講習制度との整合性を図りながら、アクセシブルな訓練施設・カリキュラムの標準を策定。業界団体・トレーニングセンターへの横展開を図ります。